お客さまの声

愛猫といつも一緒に。大人のためのパティスリー兼住宅

ダークグレーの外壁、真っ赤なベンチ。シックでありながら和やかな温もりを感じるこちらのお店は、根白石エリアにあるパティスリー、アトリエ ウフ(Pâtisserie atelier oeuf)です。お店の奥には、パティシエである石原さまのご自宅を併設。今回は、ソネケンがお手伝いさせていただいたこの店舗一体型のおうちづくりについて、お話をうかがっていきます。

根白石に現れた、ハイセンスなパティスリー兼住宅。

オープンの合図は、道路脇に掲げられるフランス国旗。赤や紺の温もりのある暖簾が、ケーキに出会う期待感をふくらませてくれます。

このエリアは、昔ながらの商店から最近出来たカフェまで、地元で愛されるお店が点在する場所。泉ヶ岳方面へと車を走らせれば、蕎麦屋やお好み焼き屋、フレンチレストランなど、グルメにはたまらない多種多様な飲食店に出会えます。アトリエ ウフは、こうしたお店で食事をした帰りにデザートを買うのにうってつけのパティスリーなのです。

このお店を一人で切り盛りする石原さまは、ご主人と2匹の黒猫との4人暮らし。以前はご実家兼店舗だった南光台でこのお店を営んでいましたが、2022年6月よりこの地で新たなスタートを切りました。

お店正面右側には、ご家族の居住スペースにつながる家族用玄関をレイアウト。壁から浮かび上がるように取り付けた表札がお気に入りだそう。

ドアを開け中へ入ると、そこにはシックな外観の雰囲気とは異なる、白の漆喰とウッドの風合いがやさしい空間が。居住スペースで唯一ここだけは、猫ちゃんたちが入れないゾーン。枝ものやお花を自由に飾っておける場所として楽しんでいるそうです。それでは奥へとおじゃまして、店舗兼住宅づくりのお話を聞いてみましょう。

惹かれていたソネケンと、新たな地で家づくりを。

「もともと2人とも嫁の実家で一緒に住んでいました。でもそこを売却するという話が出たので、新たな家のことを考えないとな、と」と話すのはご主人です。新しく建てるおうちを店舗併設型にしようと決めた理由を、奥さまはこう答えます。

「引っ越して、お店だけ別に設ける......となると、家には寝に帰るだけになってしまう。であれば絶対お店も併設させたおうちにしたい、と思ったんですよ」

当初は、前のお店があった南光台エリアで検討していたという石原さまご夫婦。根白石より土地価格が高いこともあり、建物は別の会社でコストを抑えたミニマムな平屋を建てようと考えていたんだそうです。

「でも何年も前から、ソネケンのモデルハウスの前を通りかかるたびに、『ソネケンの家って素敵だな』と感じていたので、ぜひ見に行きたいなと思っていたんですよ」という奥さまの強い要望で、中山のモデルハウスを見学しにいくことにしました。

念願のソネケンのモデルハウス内に足を踏み入れた奥さまは、「とっても立派なおうちでした。和室が良かったんだよね」と満面の笑みに。当初は少し後ろ向きな気持ちだったご主人も「どこのモデルハウスよりも落ち着くなと思いました。木の風合いが生かされていて、エアコンも木枠で囲われていましたしね。結局、4回くらい見に行ったんです」とソネケンのモデルハウスを気に入ったようでした。

「やっぱりあれだけ良いものを見たら、もう引き返せなくなるじゃないですか。他の住宅会社も見に行きましたが、床ひとつとっても全然違う。嫁の強い希望もあり、ソネケンにお願いすることにしました」

ソネケンへの発注を検討すると同時に、新たな土地も探していた石原さま。住む場所としての検討はもちろんのこと、最終的にはお客さまのことを考え、根白石のこの場所を選びました。

「お店に来てくれるのは女性が多くて、運転があまり得意じゃないという方もいます。だから環状線から来やすくてわかりやすいところがいいなって」

今までとは違うエリアになるからこそ、やはり第一に考えるのはお客さまのこと。アクセス面を考慮しつつも、心機一転、自然豊かな山の空気を感じられるここ根白石で、再出発することにしました。

愛猫を見守りながら、美味しいケーキを届ける。

選んだ土地は、道路から奥へと細長くのびる土地。ここに、店舗部分だけでなく、厨房、居住スペース、お客さま用駐車スペース......制限のある敷地でこれらをすべて考え尽くした設計が必要です。

「厨房と住居のキッチンをつなげたい、厨房棚は普段使い用のパントリー機能も持たせたい、などの基本的な要望はお伝えして、あとはソネケンに設計をお願いしました」と奥さま。仕事と暮らしをなるべく近くで完結させる工夫を散りばめながら、ソネケンの提案をもとに詳細を詰めていきました。

使い勝手に加えて大切にしていたのは、愛猫たちの存在です。大阪から引き取ったという保護猫の2匹は、石原さまご夫婦にとって大事な家族。この子たちを見守るために、さまざまな工夫をしているといいます。

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「仕事をしている間もLDKや寝室で過ごす猫ちゃんたちの様子が気になるので、厨房とキッチンを区切るドアはガラスにして、住居側の様子が見えるようにしました」と奥さま。厨房だけでなくショーケースがある店舗側にも小さなガラス窓を配置し、猫側から店舗を覗ける仕様に。ときどき、お客さま側からも猫たちの様子を見ることができます。

そしてモデルハウスで惹かれた和室は、2階に配置。ゲストルームとしてつくったスペースですが、普段は愛猫たちがこたつでぬくぬく過ごすくつろぎスポットになっています。

住居部分にも、たっぷりのこだわりを詰め込んで。

「最初は嫁ほどのこだわりはないと思っていたんですけど、進めていくうちにあれもこれもってこだわり始めちゃって(笑)。特にこの梁は、あえて2本ではなく1本がかっこいいかなと思ってお願いしました」とご主人。

立派な一枚板のダイニングテーブルの上を走る1本の梁。その堂々とした佇まいは、LDKの背骨のようにこの空間全体の印象づくりを支えています。

さらにこのすぐ横にあるキッチンにも、石原さまご夫婦の理想が反映されていました。

「キッチン天板の奥行きは、広めの90cmに。というのも昔、主人は寿司職人をしていたので、ここでプライベート寿司バーみたいな感じにできたらな、なんて。これだけ広く確保できれば料理教室なんかもできそうですし」と奥さま。ご主人は特に、このキッチン全体の配色が気に入っているそうです。

「黒っぽいグレーと白。これが外観と内観の要素が融合していて、すごくいいなって。家具で色を加えることも考えて、これで正解でした」

「大人のご褒美」に合う、落ち着いたテイストに。

もちろん店舗側にも、奥さまの理想がたっぷり反映されています。たとえばお店の規模や営業スタイルは、奥さまたっての希望で以前とは違う形態で設計しました。

「以前はカフェスペースもあったんですけど......一人で営業しているので、やっぱり自分の手が届く範囲でこじんまりと営業するのが理想的だったんですよ。そこで今回はイートインスペースのない、ケーキ販売のみのシンプルなスタイルにしました」

さらに店内は、以前の南プロヴァンス風の雰囲気とは打って変わって、有名コーヒーショップのスターバックスをイメージ。中でも、「大人がご褒美のケーキを買いに来る空間」として仕上げるべく、壁紙はボルドーを選びました。

移転オープンしてから約1年半。前店舗に引き続き、新しい店舗まで足を運んでくれるお客さまも多いといいます。お客さまからはどのような反応があるのでしょうか。

「オープン当初は特に『これどこで建てたの!?』って聞いてもらえることが多かったです。だから店頭にソネケンの名刺を置いて、紹介させてもらっていますよ」と奥さま。ケーキも、建物も、大好評をいただいているようです。

美しい光と環境が、心を満たす住まい。

店舗とは反対側の南面にだけ、大きな窓を採用している石原さま邸。ここから見えるのどかな自然風景が、居住空間に開放感と癒やしを与えてくれています。さらに、一日中明るさが保たれるよう、他の面にも高さの差を利用して窓を配している点も、この住まいの特徴です。

「夕方には、切り絵みたいな綺麗な夕焼けが見られるんです。さらにキッチン・ダイニング上の東窓からは朝日が入ってくるので気持ちいいですよ」と奥さま。ご主人も「もう本当に、夕方の神々しい光が幸せなんです」と微笑みます。

壁には白い漆喰を採用していることもあり、光が綺麗にまわるのもポイント。この家全体を通して気に入っている点を聞いてみたところ、奥さまからは「全部気に入っています!」と返答が。ご主人もこの言葉に続けます。

「この家に住むようになってから、暮らしにも心にもゆとりが生まれた気がします。やっぱり住む環境が変わると、人って変わるんですね。あと目に見えて違いを実感したのは、アトピー症状の変化です」

以前は、寝ている間に皮膚を掻いてしまい、毎年病院に通わなければならないほどアトピーに悩まされていたというご主人。ここでの生活を始めてから変化を感じているそうです。

「自分の場合は、ですが......症状がピタッとおさまりました。もともと健康住宅の話は耳にしたことがあったんですけど、正直あんまり信じてなくて。でも俺の場合は本当に変化が感じられてよく眠れるようになり、身体もラクになりましたよ」

加えて、冬場のあたたかさや気密性も十分で快適性が上がったと話す石原さま。家づくりから引き渡し、そして今までの暮らしを振り返り、ご主人はこう話します

「家づくりは最高の思い出になりましたね。アフターメンテナンスも素早く対応してくれるし、ダメ元で頼んだ修理も手際良くやってくれました。ソネケンに頼んで良かったなと思います」

根白石に新しくできたパティスリー兼住宅。暮らしている石原さまご家族も、アトリエウフのお客さまも、皆が良いと思える建物に仕上がりました。これからもずっと、この地に根ざしたパティスリーとして、愛猫たちとの心豊かな暮らしの拠点として、たくさんの愛が育まれていくことでしょう。